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Message from Program Director

店舗視察は、考える材料を見つけること・・・

コーネル大学RMPジャパンでは、7月にニューヨーク州イサカ市のコーネル大学のキャンパスで講義を受ける。4月も中旬を過ぎたこの時期になると米国流通業の動向が気になる。20年からは、コロナ禍の影響もあり、各社ともに恒例となっていた米国小売業視察も出来ずにいたので、コロナ禍後の動向を含めて動向が気になるであろう。しかも、視察も内容の見直しが叫ばれ始めている。訪問し難かった期間に環境が激変しているらしい。

▼長い期間、米国のチェーン視察は、ひたすら「モデル企業」を真似るためのものであった。子供が将来「自分で考える」ために、最初にコトバを覚えるように良いと言われていた企業、店舗を見学して学びを重ねて来たのだ。だが、日本の流通業、特にチェーン企業は、「学ぶ」時期は過ぎたはずである。「いま店舗視察の目的は、『参考にする』ことや『学ぶ』ことにあるのではない。考える材料」を見つけることにある」と島田研究室代表の島田陽介氏は語る。

▼島田陽介氏の独特な理論展開になるのだが、米国の「ダラー・ストア」と日本の「百円ショップ」のチェーンを分析し、両者はまったく対照的であると結論づけている。「ダラー・ストア」は、「業態」である。日本の「百円ショップ」は、どの企業も「アソートメント」であるという。この「アソートメント」と言う言葉も島田氏独特のものだが、「新しい買物・生活・カスタマーが生まれるような、今までになかった品ぞろえを主にストアブランド(SB)で創造する」ことになる。

▼米国には意外に「業態」チェーンが多い。「アソート」と言い得るのは、ファッション専門店の幾つかと、ホーム・デポ、ウエグマンのような一部のスーパーマーケット、欧州でのディスカウント・チェーン(例えばトレーダー・ジョー)と数限られる。むしろ売り方のバリエーション(フォーマット)をもっているのだ。日本こそ、自社独自のオリジナルなSBを揃えたチェーンが多数存在する。店舗視察は、考える材料を見つけることことにあるようだ。

2024/04/18