UP_2016_1413_097_select
3C2A7526
108A4543
03_4
IMG_9245
previous arrow
next arrow

Message from Program Director

アークス独自の経営手法の変化は・・・

アークスは、横山社長の後任に取締役でラルズの猫宮一久社長が昇格する人事を発表した。横山氏はアークスの前身、大丸スーパー社長就任から約40年にわたりトップを務めて来た。特にM&Aを駆使しつつも、子会社の個性や特徴を残しながら成長を図る独自の経営手法「八ケ岳連峰経営」で北海道を地盤にしながら、東北などへと営業エリアを拡大した。21年には、栃木県地盤のオータニを買収するなど、関東にも進出。売上高約6000億円という大きなチェーンに育て上げて来た。

▼次期社長となる猫宮氏はCOOを兼ねる。この猫宮 一久氏だが、北海学園北見大商(現北海商科大)を卒業後、大丸スーパー(現アークス)に入社し、06年ラルズ取締役、10年常務、16年社長兼アークス取締役という役歴を持つ63歳だ。コーネル大学RMPジャパンの1期生でもあり、必然的にも期待が高まる。ここ数年、横山社長の後任は誰かと興味深く見て来たが、一応の決着がついた形である。アークスの第2幕の幕開けである。

▼新型コロナウイルスの感染拡大を受けてか、ここ数年のM&A戦略は停滞しているようだ。24年2月期の連結純利益は117億円(前期比18%増)と従来予想から上振れた。来期は、売上高6130億円(同4%増)、純利益は116億円(同1%減)を見込んでいる。CFOに就く古川公一副社長は、一連の業績予想について「(計画する)1店の新規出店や改装による増収効果で十分達成できる」とした上で「M&Aは前のめりで進めたい」と述べている。

▼目標とする売上高1兆円の達成に向けて、CEOの横山氏、COOの猫宮氏、CFOの古川氏を合わせた「3C体制」(横山氏の造語)を築きながらM&Aを積極化する考えのようだ。北海道は広いが限定商圏になる。従って日本の縮図ともいえ、強い企業間での競争が熾烈だ。連結売上高10兆円の達成も視野に入れるイオングループのイオン北海道は、西友が展開する札幌市内の9店舗を買収、食品販売を強化しようとしている。イトーヨーカ堂の撤退など変化する事業環境に対応する必要もある。アークス独自の経営手法の変化の兆しからも目が離せない。ご発展を心からお祈り申し上げます。

2024/04/24