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Message from Program Director

きちんと未来を語って欲しい・・・

「米国は独りではない。日本は米国と共にある」。米上下両院での岸田首相の演説である。ご自身でも世界に「未来志向のメッセージ」を伝えることが出来たと自慢して記者に語っていた。「もはや『失われた30年』の時代ではない」。岩井克人東大名誉教授はインフレ基調への変化を強調する。日本経済は物価や賃金、金利が上がり始める転機にあるのだが、首相は日本の国民に対しても、きちんと未来を語って欲しい。

▼未来発言になるのだろうか、24年度予算が成立した後のインタビューに「今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現させる。来年以降に物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる」と述べていた。我が国を代表する企業の多くが「これが、政府が国民に約束する一番大事な政策なのか」との反応だ。なによりもこれを実現するための政策を語ってくれないのだ。国民を信じて、問題点を言った方がいい。問題の本質を語っていない気がするのだ。

▼構造的な人手不足も進むなかにあっては、発想の転換が必要のはずだ。これまでのように財政や金融の需要拡大策で経済成長率を底上げするのは難しい。長期の成長率を押し上げるのは、私ども供給サイドの生産性の伸びが必要で、新しい環境のもとで日本経済をどう強くしていくかの発想が欠かせないと考える。痛みの議論を避けるのではなく、負担にも踏み込んだ将来像を示し、次世代が抱く不安を取り除くことが大事になる。

▼食品スーパーも、先が読めない今こそ、足元を見て手を打つ必要がある。視点を短期にするのではなく、中長期に渡って解決しなければならないことの未来を語らなくてはならない。人口減少と高齢化で小売業が直面する課題は大きいはずだ。大量の労働力を必要とする産業では、働き手の不足は運営を難しくする。自動化や効率化をあらゆる作業プロセスで図る必要も出てくるはずだ。幸いにも足元の業績は過去に経験したことがないほど順調である。食品スーパーで働く人たちの目を将来に向けさせるためのリーダーの発言が欲しい。

2024/04/27