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Message from Program Director

エコーチェンバー現象が起きやすい・・・

米国流通コンサルタントの後藤文俊氏が、「日本に長く居るとエコーチェンバー現象が起きやすい。閉鎖的な情報空間において価値観の似た者同士が交流・共感し合うことで、特定の意見や思想が増幅する現象のことだ。結果、自分の考えが『正しい』と信じてしまう。日本の流通業界では『老人エコーチェンバー』が生じているかもしれない」との情報を発信していた。「変化だ」、「変革だ」と言っている人ほど変わらないものだと警鐘を鳴らしていた。

▼後藤氏は、米国小売業の変化に合わせて流通視察も進化させる必要があると説く。実際、流通視察が20~30年前とほとんど変わらないと嘆いているのだ。ライフスタイルのパーソナライゼーションが日常で進み、買い物の仕方も個人化が進んでいる。流通イノベーションの利用は、考える以上に進んでいるようだ。AmazonやInstacart社などのSmart cartも著しく進化しているようだし、ユーザーインターフェイスも改良され続けているという。

▼パーソナライゼーションは米国流通視察で最も重要な体験とある。WalmartのCEOは、「We would like to have the customers open our app in the store all the time」と語っている。その為に頻繁にウォルマート・アプリをアップデートしているらしい。7月のコーネル大学RMPジャパンの研修時に、どこまで体験、視察が出来るかは分からないが、買物する生活者の雰囲気だけでも理解出来たら嬉しいものだ。

▼利便性は一度手にしたら、もとの状態に戻らない不可逆な面を持っている。モバイルオーダーの利用も、最初は注文に手間取り、ぎこちなかったものでも慣れてしまうと、これまでのレジでの注文が不便であったかを痛感するものだ。米国のスターバックスでは、早い段階から導入したモバイルオーダーが時代に合わなくなっているようだ。アップデートでなく再構築するような言い方がされていた。ダイナミック・プライシングにも対応できるよう考えているのかも知れない。

2024/05/10