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Message from Program Director

省人化を実行しやすいビジネスモデルを・・・

朝のTV番組、バラエティ番組の中で、「入社日に退職、それも退職代行業者から届出」とあった。若者の就労観が変化した結果なのだろうが、有効求人場率が高止まりしている事にも起因しているのかも知れない。日本の労働環境は、高齢化がさらに進む一方で、少子化によって若者の労働力が縮小して、労働力不足は将来的にさらに厳しくなっていく。外国人技能実習制度も、「裏側で何が起きているのか?その実態に迫る」的な報道番組がつくられるような運用状況だ。

▼加えて賃上げの流れが小売りや外食業界に大きな影響を及ぼしている。国全体として賃上げが進んでいる中、賃上げ面で見劣りする企業は労働力を確保することが難しい。そこで労働者を確保するためにも、大幅な賃上げが必要となる。ただ、人手不足は構造的な問題だ。賃上げを実現できるだけの付加価値生産性を上げることが必要なのだが、小売業や外食産業のような業界では、客単価を上げるように付加価値を高めることは容易なことではない。そうなると、多くの企業にとって省人化をどこまで進めていけるのかが鍵となる。

▼米国の小売業では、省人化が徹底しているように思える。客の立場から見ればサービスが悪いと見えることでも、人件費の負担を考えると納得できる。人件費を抑えるようなビジネスモデルでないと生き残れないのだ。比べて、日本では人件費がかさむようなビジネス形態が多いのだが、深刻な人手不足と賃上げの圧力がそうした状況を一掃することになるのではないだろうか。省人化に成功した企業のみが生き残ることになりそうだ。

▼足元での動きを見ると、業績が好調な企業は、本格的な省人化に取り組んでいる。ユニクロは、商品にICタグを付けることで、顧客にストレスを感じさせることなくレジの効率化を実現させている。人手不足が深刻な影響を及ぼしてきたコンビニも、デジタル技術を活用した革新によってどこまで省人化を進められるかが競争力を決めることになりそうだ。デジタル技術やロボットを使って省人化できる可能性は限られているかもしれない。省人化を実行しやすい形にビジネスモデルを変えていくことが人手不足の時代の大きな鍵となる。

2024/04/26