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Message from Program Director

どこで対応策を間違えた・・・

総合スーパー(GMS)業界で世代交代が進んでいる。イトーヨーカ堂が店舗展開の地域を縮小するとの公表に続き、「西友」も北海道と九州からの撤退を表明した。西友だが、北海道9店舗の売却は分かるが、九州の69店の売却は意外だ。九州の「サニー」名での店舗だが、01年に百貨店「岩田屋」の食品スーパー事業を買収したものだ。西友の関連企業の過剰負債問題でリストラ策を迫られた時期に、積極策として買収、足元での収益源となっていたのだ。

▼「西友」のこれからの動きは不明だが、株の85%を保有するグローバル投資会社KKRの意向次第では、全てを売却することもありそうだ。Walmartが、西友を完全子会社化したのは08年。だが、日本を攻めあぐねて21年に事実上の撤退をした。GMS業界は、「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」、「トライアルホールディングス」が全国で存在感を増してはいるが、本州の店舗数246店舗(含SM)多層階(3層以上)店舗67店舗を引き継げるのは「イオン」しかないだろう。

▼GMS業界の変化は、簡単に言うと衣料品の売上減少に要因がありそうだ。「日本チェーンストア協会」集計の「チェーンストア販売統計」の売上総額を見ると、92年から23年の約30年間に88.4%に萎縮した。中でも衣料品は18.9%に激減している。売上構成比をみても25.6%から5.5%に激減している。GMSの衣料品は凋落の一途をたどっている。逆に、食料品は43.2%増加、売上構成比も69.9%と大きく変化したのだ。

▼商業動態統計の「織物・衣服・身の回り品小売業」売上げも、92年の14兆9600億円から8兆5145億円と56.9%に萎縮しているのだが、GMSの落ち込みは酷い。「商業動態統計」と同率に萎縮したとすれば2兆2340億円ほどで、1兆4940億円ほどの乖離がある。この間、「ユニクロ」と「しまむら」の国内売上が1兆4300億円ほど増えている。GMSの衣料品だが、この両社に売上を奪われたと言っても過言ではなさそうだ。

どこで対応策を間違えてしまったのだろうか?

2024/05/08