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Message from Program Director

「Walmart」は、対面での勤務の方が生産性が上がると・・・

日経新聞社がさまざまなデータを分析し、経済や市場、企業などの潮流を浮き彫りにする『チャートは語る』という企画がある。19日は、「重くなるEV、環境に重荷」と題して掲載されていた。普及する電気自動車はバッテリーの重さと性能が比例するので、車が重くなっている。ガソリン車に比べタイヤの摩耗が進みやすくなり、粉じんのもとになる粒子状物質が3割増えるとの試算だ。排ガスを抑えるエコカーが環境の重荷となる皮肉な構図が書かれていた。

▼日本も車は顕著に重くなっているとある。大型のSUV人気の高まり、海外市場を意識した開発戦略が背景にあるようだ。大型車を示す「3ナンバー」車は増加の一途で、乗用車販売に占める割合は、23年44%に高まり平均重量も1.4tを超えている。トヨタのカローラやホンダのシビックなどの人気車種も3ナンバーになった。今後、国内でもEVの普及が進めば車の重量が増す流れはさらに加速しそうだ。技術開発と規制の両面でのバランスが求められそうだ。

▼何事もバランスが大切になるのだろう。取って付けたようで恐縮だが、「Walmart」が、自宅などからのリモート勤務を縮小し、オフィスでの勤務を増やすよう従業員への働きかけを強めているとの報道を耳にした。サテライトオフィスで勤務する従業員に、アーカンソー州の本社などでの勤務に移るよう求め、本社外で働く社員の削減も始めた。Walmartは対面での勤務の方が、生産性が上がるとみており、出社勤務への回帰に向けて動き出した。

▼Walmartは、従業員向けの通知のなかで「対面で集まることで協力やイノベーション、迅速な意思決定がしやすくなる」と説明している。新型コロナウイルスの流行が収束に向かった2022年に、本社部門の従業員に原則出社するよう社内ルールを変更していた。米企業の間では、コロナ禍で定着したリモート勤務が生産性を下げているかどうかが議論になっている。160万人を超える雇用主であるWalmartが原則廃止に動いたことで、他の企業の判断に影響を及ぼす可能性もありそうだ。ここでもバランスが求められそうだ。

2024/05/22