UP_2016_1413_097_select
3C2A7526
108A4543
03_4
IMG_9245
previous arrow
next arrow

Message from Program Director

トレンドは「温度帯」、そして個性の逆張りをする戦略も・・・

月刊『日経トレンディ』が、今年上半期のヒット商品から消費トレンドを占う特集を組んでいる。昨年は、国内旅行消費額(約21.8兆円)がコロナ禍前に比べ99.8%まで回復したが、今年はコロナ禍から“解放”され、消費の傾向が大きく変わった。物価高が続く中、「安さ重視」とは逆に、「高くても突き抜けた付加価値を持つもの」も売れる「消費の二極化」が、トレンド的にも定着しつつあるとしている。

▼連日、TVの報道番組などで伝えられているが、インバウンド客数は過去最大になりそうで「外出関連の消費」は加速しそうだ。消費者物価指数は21年から右肩上がりに上昇しているが、賃金の上昇が追いつかず、実質賃金はマイナスの状況が続いている。ただ「高くても良いものなら買う」風潮はしっかり残っており、消費は二極化も変わりはない。それに、上半期の話題は、NISA(少額投資非課税制度)の使い勝手が向上し、投資初心者が増えたことがある。

▼24年上半期の新潮流は、初心者をうまくターゲットに取り込んだヒットが増えた。全世界株式インデックス型投資信託の「e MAXIS Slim 全世界株式」は、4月に純資産総額が3兆円を突破している。こすらず泡で洗えるトイレ用洗剤「トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック」などジャンルを問わず、ターゲット外にいた初心者を呼び込んだ商品がヒットした。『日経トレンディ』では、3つのトレンドを取り上げ、1つ目は、この「ビギナーズハック」としている。

▼2つ目は、時間を効率的に使いたいタイパ重視の新潮流「ながら&しこみ消費」。仕事や旅行、休息などに充てる時間を最高のものに変えようとする機運が高まっている。3つ目は、「無加工至上主義」で、「むくみ感を軽減」をうたうレモン系飲料が好調だったとある。食品業界にあっては、「温度帯」と「個性の逆張り」を上げていた。冷蔵「雪見だいふく」など、冷凍や冷蔵といった温度帯を“越境”するブランドが増加。「甘くない」ポッキーや「辛くない」柿の種、「らしさ」をなくしたフレーク状オートミールなど、個性をあえて捨てたヒット商品に注目すべきというのだろう。

2024/05/12